秋の新幹線移動、駅弁選びで迷ったことはありませんか?
東京駅の駅弁売り場は選択肢が豊富で、小学生の子どもたちも一緒だと「何を選んだらいいのか」と悩んでしまいますよね。私自身も、東北各地を巡る中で、その土地の食材が詰まった駅弁の虜になってしまった一人。バラエティー豊富で、家族みんなが喜ぶ駅弁に出会うことの大切さを身に沁みて感じています。
そこでお勧めしたいのが「The山形弁当」です。山形新幹線開業150周年の記念企画として2022年に誕生したこの弁当は、つや姫の日の丸ご飯、芋煮、鮭塩焼きなど、山形の食材をぎゅっと詰め込んだ幕の内弁当。1500円というお手頃価格ながら、東北の食文化を存分に味わえる一品です。
この記事では、実際に「The山形弁当」を食べた感想を交えながら、東京駅での駅弁選びのコツをお伝えします。普段は東京駅をあまり利用しない方も、自宅での食卓を彩る選択肢として、ぜひ参考にしてみてください。

荒生沙緒利
SAORI ARAO
- 山形県アンバサダー@東北観光推進機構 東北PR局
- フリーアナウンサー
- 山形県酒田市在住
「The山形弁当 E3系編」が家族旅行のお供に最適な理由

山形新幹線E3系の歴史が詰まった記念駅弁
「The山形弁当 E3系編」は、2025年に誕生した記念駅弁です。背景にあるのは、山形新幹線E3系「つばさ」の定期運行終了。この列車は長年、東北と東京を結ぶ重要な交通手段として、多くの人々を運んできました。その運行終了を記念して企画されたのが、この弁当なんです。
実は、2025年12月の運行終了を前に、11月23日と12月13日には感謝の特別列車も運行予定とのこと。つまり、この弁当を購入して食べることは、単なる「駅弁を食べる」という行為ではなく、山形新幹線という交通手段の歴史に一区切りをつける瞬間に立ち会うことでもあるんです。
お子さんと一緒に食べながら、「この新幹線は今年の12月で最後の運行なんだよ。だからこの弁当も、その思い出を詰め込んだ特別な一品なんだ」という会話ができる。そうした時間が、家族旅行の思い出をより一層深くしてくれるんです。
山形の食文化が詰まった、バランスの取れた内容
幕の内弁当スタイルのお弁当で、子どもでも食べやすい工夫が盛りだくさん。山形県産米「つや姫」の白飯に梅干しやふき味噌を添えるなど、ご飯だけでも山形の味わいを堪能できます。また、メインを飾る山形牛のすき焼きは、焼き豆腐と白滝を合わせた甘辛い仕上がりで、山形を代表する食材をお弁当に落とし込むセンスが光ります。
そして、玉こんにゃくの煮物やいかげその天ぷら、ハーブ鶏の味噌焼きなど、バラエティ豊かなおかずが詰め込まれています。野菜の種類も豊富で、「苦手な食材があっても他におかずがたくさんある」という安心感が、家族での食卓にぴったり。さくらんぼなど季節の果物も添えられており、山形の「今」を感じさせてくれるんです。
さらに、赤かぶの酢漬けやおみ漬けといった山形の漬物が食事全体を引き締め、最後には将棋の駒の形を模した「将棋もろこし」。山形が将棋の街として知られることを表現した粋な遊び心であり、地域の食文化と風土を丸ごと楽しめる、奥深い一折となっています。
約1500円(税込)という価格で、質の高さを実感できる
東京駅の駅弁は1000円~2000円のものが大半です。「The山形弁当 E3系編」は約1500円(税込)という価格帯で、加熱式の高級駅弁ほどではありませんが、地元の厳選食材をこれだけ詰め込んだ質の高さを感じることができます。
さおり家族で複数購入する場合にも、家計に優しい価格ですね。
実食レポート:「The山形弁当 E3系編」を東京駅で購入してみた

購入する場所とおすすめの時間帯
「The山形弁当 E3系編」は、東京駅の「駅弁屋祭」や、新庄駅などの山形新幹線沿線の駅での販売が中心です。2025年5月以降から販売が確認されており、E3系の運行終了(2025年12月予定)に向けて、限定販売が続いています。
平日の朝は売り切れることもあるので、前日までに販売予定を確認しておくのがおすすめ。東京駅の駅弁売り場は複数のエリアに分かれており、「The山形弁当 E3系編」の場所を駅員さんに尋ねるのが確実です。
朝〜10時頃:品揃えが豊富で、ゆっくり選べます
11〜13時、17〜19時:混雑のピーク。長蛇の列ができることも
18時以降:売り切れの可能性大
開けた瞬間の第一印象

蓋を開けた瞬間、山形県産米「つや姫」のふっくらとした白飯が目に入ります。淡く優雅な炊き上がりが、見た目にも美しい。
おかずも色合い豊かで、黄色い玉子焼き、深い色合いの山形牛すき焼き、緑のアスパラ、赤い赤かぶの酢漬けといった色のバランスが絶妙。駅弁というと「ざっと詰め込まれた印象」を持つ方もいるかもしれませんが、「The山形弁当 E3系編」は一つ一つのおかずが丁寧に配置されている感じ。蓋を開けた時点で、すでに「これは美味しそう」という期待感が高まります。
梅干しやふき味噌も、御飯の隣にちょこんと置かれており、全体のバランスを整える役割を果たしています。
食べた感想:冷めた芋煮が新しい発見に

正直に言うと、冷めた芋煮を食べたのは初めてでした。山形では秋の河原で温かいまま食べるのが一般的なだけに、少し不安を感じていました。
ところが、食べてみてびっくり。冷めていても味わいの奥行きはしっかり感じられるんです。里芋のほくほくした食感、舞茸の香り、葱の爽やかさ、醤油ベースのスープが一つになった落ち着いた風味。新幹線という特別な空間でゆっくり味わうには、むしろ最適な一品でした。
つや姫ご飯も、冷めた状態だと米一粒一粒がしっかり立ち、本来の甘さが引き出されている気がしました。梅干しやふき味噌と合わせると、さらに奥行きが増します。山形牛のすき焼きは甘辛い味付けでご飯が進み、ハーブ鶏の味噌焼きは香りよく肉質も柔らか。いかげその天ぷらは塩味とご飯のバランスが絶妙です。
赤かぶの酢漬けやおみ漬けの酸味が全体を引き締め、玉こんにゃくの煮物はこんにゃく本来の食感を活かしながら野菜とのハーモニーも取れている。
さおり山形の食材が一堂に会した、丁寧な仕事を感じる一箱でした!
秋の旅行シーズン、東京駅での駅弁選びのコツ

家族で共有することを前提に選ぶ
子ども2人と大人2人で1~2個の駅弁をシェアする場合が多いですよね。そのときは「家族全員が少しずつ食べたときに、誰もが『おいしい』と感じられるか」という観点が大切です。「The山形弁当 E3系編」のように複数の食材が詰まっていると、好き嫌いが分かれにくく、シェアに最適です。
地域の「物語」を知ってから選ぶ

駅弁選びの最大のコツは、その弁当が持つ地域への想いや歴史を知ることです。「The山形弁当 E3系編」なら、山形新幹線E3系の運行終了という歴史的な瞬間を記念した企画であること、山形県産米「つや姫」の背景、山形牛やさくらんぼといった地域を代表する食材、将棋の街・山形という文化的背景。こうした背景を知った上で食べると、同じ値段の弁当でも、家族にとっての価値は大きく変わります。
FAQ:「The山形弁当 E3系編」と東北駅弁についてよくある質問
まとめ:E3系の歴史を食べる。家族で選ぶべき「The山形弁当 E3系編」

新幹線での移動は、子どもにとって特別な体験です。そこで食べる駅弁も、旅全体の思い出の一部になります。「The山形弁当 E3系編」は、単なる「車内での栄養補給」ではなく、山形新幹線E3系という交通手段の46年の歴史、山形という地域の文化、厳選された食材への想い——これらがすべて詰まった「物語」です。
2025年12月のE3系運行終了を控えた今、この弁当を購入して食べることは、その歴史的な瞬間に一区切りをつける体験になります。お子さんと一緒に新幹線に乗るなら、こうした背景を知った上で駅弁を選ぶ。そして、新幹線の中で家族と一緒にそのストーリーを思い出しながら食べる。そうした時間は、観光地での写真以上に、心に残る思い出になるはずです。
冷めた芋煮の新しい美味しさ、ふっくらとしたつや姫の食感、山形牛の甘辛さ、そして家族と共有するその時間が、旅をより一層豊かなものにしてくれるはずです。秋から冬へと季節が移ろう中、ぜひ「The山形弁当 E3系編」を手に取ってみてください。

