【助産師が解説】子宮筋腫が不妊の原因になるのはどうして？解決方法は？

このブログのプロフィールでも書いた通り、２０２３年５月に子宮筋腫の開腹手術を受けました。

身体の変化、手術、お金、仕事、、、

私の体験談も含めてこの記事でご紹介します。

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子宮筋腫について自分で色々と調べましたが、私のような素人だとよくわからず、どうしたら良いのかと途方に暮れたことを思い出します。

自分の体験談も含め、このブログで自分の思いをお話させていただきます。

解説して下さるのは、サニーの仲良し・助産師のなっちさんです！

※なっちさんのブログはこちら

子宮筋腫は30歳以上の女性によく見られる病気です。妊娠を希望される女性で不妊の原因になるのではと不安になる人もいます。

結論として、子宮筋腫は不妊の原因の一つです。この記事では、子宮筋腫とはどういう病気なのか、妊娠への影響や治療についてわかりやすく説明します。

厚生労働省 平成23年「患者調査」より／年代別 子宮平滑筋腫による年間の入院患者数

子宮筋腫とは何か

子宮筋腫は良性の腫瘍です。30歳以上の女性の20～30%、顕微鏡検査を含めると75%に上る程よくある病気です。

子宮筋腫はエストロゲンという女性ホルモンが影響するため、初経前で見つかることはほとんどなく、年齢を重ねるごとに腫瘍が大きくなり、閉経後は小さくなります。

子宮筋腫の種類

子宮筋腫は、発生・発育場所により下記の3種類に分類されます。

•     粘膜下筋腫：子宮内膜の真下

•     筋層内筋腫：子宮筋層内

•     漿膜下筋腫：子宮漿膜下直下

ただし、筋腫は1個だけできる場合より、複数個できる人が多いです。

また、上記の筋腫が合併することもあります。

症状・診断・検査方法

子宮筋腫は症状の問診や内診、超音波検査によって診断され、判断が難しい場合はMRI検査や子宮鏡による精査が行われます。

代表的な症状としては、過多月経、月経困難症、下腹部腫瘤感、圧迫症状などがありますが、半分以上が無症状で、偶然産婦人科を受診して気づくことが多いです。

特に粘膜下筋腫の場合は不妊の影響が大きくなります。

子宮筋腫と不妊の関係

子宮粘膜下筋腫は子宮の内膜に近い場所に成長する子宮筋腫です。

そのため、卵管を狭くして排卵した卵や精子が通るのを妨げたり、子宮内膜を変形させて着床しにくくしたりする影響で不妊の原因になります。

実際に、子宮粘膜下筋腫の患者さんは、子宮筋腫がない不妊女性と比べて、妊娠率や着床率が低下するという論文報告があります。

子宮筋腫と治療

治療しないケース

子宮筋腫は良性の腫瘍で、多くの人が無症状なため、治療をしない場合も多いです。

治療しない場合は、3～6カ月ごとに定期検査をし、子宮筋腫が大きくなっていないか、症状の変化はないかを確認します。

治療を必要とするケース

以下4つの場合が治療を考える目安です。

• 症状がある
• 妊娠希望で子宮筋腫が不妊症・不育症の原因と考えられる
• 妊娠希望で、妊娠中や分娩中にトラブルが予測される場合
• 悪性疾患の疑いがある場合

子宮筋腫以外の不妊の原因がない患者さんに子宮粘膜下筋腫切除を行うと、自然妊娠やその後の体外受精の妊娠率が改善されます。

治療方法

子宮筋腫の治療方法は主に薬物療法と手術療法があります。

症状が軽度の場合は子宮筋腫そのものに対する治療は行わないで、痛み止めなど症状緩和のための対症療法を選択する人もいます。

また、子宮筋腫を小さくすることを目的として、ホルモン療法で閉経の状態をつくる方法もあります。

ただしホルモン療法は根本治療とはならず、子宮筋腫を小さくして手術をしやすくしたり、貧血の強い場合の手術までの時間稼ぎだったりと補助的な役割が大きいです。

よって、子宮筋腫そのものをなくす根本治療は手術療法になります。

手術は子宮全摘術もありますが、妊娠を希望する場合は子宮筋腫のみを摘出する子宮筋腫核手術や子宮動脈塞栓術などがあります。

子宮筋腫摘出後3～6カ月が妊娠可能になる目安です。

どんな治療法が適しているかは妊娠希望の有無、子宮筋腫の場所や数、大きさなど人によってさまざまなため、主治医とよく相談してください。

子宮筋腫の生活習慣

食生活

1日4回分の果物や野菜を摂取する女性は、1回分の果物や野菜しか摂取しない女性と比べて子宮筋腫が発症するリスクが低いという報告があります。

また、子宮筋腫のある女性は緑黄色野菜や果物を摂取する頻度が低いという報告もあります。

ビタミンAは子宮筋腫に対する抗増殖作用があり、またビタミンDの不足した女性にビタミンDを補充した結果、外科的および内科的治療の必要性が減少したという報告もありました。

そのため、これらの栄養素が含んだ食事を摂れば、子宮筋腫に良い効果があるかもしれません。

体重管理

肥満は子宮筋腫の成長に関連していることが知られています。

また、適切な体重は、ホルモンバランスを保ち、過剰なエストロゲンの生産を防ぐために役立ちます。

BMI（身長m×身長m×体重kg）が25以上の肥満の人は特に注意しましょう。

運動・ストレスケア

ストレスが多いとホルモンバランスの乱れにつながります。

定期的な運動は体重管理だけではなく、ストレス低下にもつながるのでおすすめです。

子宮筋腫が不妊の原因になる理由のまとめ

まずは、自分の身体の状態を把握するためにも定期的な検診が大切です。

子宮筋腫は珍しくない病気で、多くの人は無症状で治療を必要としません。

ただ、子宮筋腫の発生場所や大きさによっては、卵子や精子の通過を邪魔したり着床を阻害したりする影響で不妊の原因になります。

子宮筋腫は罹患率も高いため治療法も確立されています。

もし子宮筋腫があって不妊の原因となっているのではないか…と心配な人は、主治医に相談することをおすすめします。

また、子宮筋腫の有無にかかわらず、生活習慣を見直して子宮筋腫の発生や成長リスクを下げることも大切です。

参考文献

Andrea Tinelli : Uterine Fibroids and Diet, Int. J. Environ. Res. Public Health 2021, 18(3)

産婦人科研修の必修知識2016-2018

産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020

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