新米の袋を開けると、つい「いつもより水を減らしたほうがいいのかな」と手が止まりますよね。調べてみると、減らす派と減らさない派の両方の説明が出てきて、かえって迷ってしまいます。
実はこの2つ、どちらも間違いではありません。今のお米は精米の段階で水分がそろえられているので、まずは目盛りどおりで炊き、仕上がりを見てから水を加減するのがいちばん失敗しにくい順番です。
私は庄内平野の真ん中、山形県酒田市で暮らし、東北観光推進機構で山形県アンバサダーとして東北の食を発信しています。秋になると、はえぬき、雪若丸、つや姫と、品種ごとに少しずつ時期をずらして新米が届く土地です。
この記事では、JA全農や農林水産省、食品メーカーの公開情報をもとに、新米の研ぎ方・浸水時間・水加減の決め方を順番に整理しました。2回目から水をどう直すかの早見表と、古米との違い、せっかくの新米をおいしいまま保つ保存法までまとめています。
やま君新米は水を少なめにって聞いたけど、どれくらい減らせばいいのか分からないんだよね。
宮さんせっかく高いお米を買ったのに、べちゃっとしたら悲しいわ。

荒生沙緒利
SAORI ARAO
- 山形県アンバサダー@東北観光推進機構 東北PR局
- フリーアナウンサー
- 山形県酒田市在住
新米は水を減らす?意見が分かれる理由

「新米は水分が多いから、水を減らす」。昔からよく言われるコツで、米屋さんやお米の通販サイトでは、今でも「炊飯器の目盛りより2mmほど下げる」といった方法が紹介されています。
一方で、キッコーマンの「ホームクッキング」では、新米でも古米でもお米に含まれる適正な水分量は15%なので炊き方を変える必要はない、と説明しています。ウェザーニュースの取材に答えた五ツ星お米マイスターの西島豊造さんも、今流通している米は水分量が15%前後と決まっているため、新米だからといってわざわざ水を控える必要はない、という考え方です。
では「減らす派」が間違いかというと、そうとも言えません。同じ西島さんも、炊き上がりがやわらかく感じるなら水加減を控えてもよい、と話しています。つまり、最初から減らすか、炊いてみてから減らすかの違いです。
品種や産地、炊飯器、好みの固さで正解は変わります。だからこそ私は、新しい袋の1回目は目盛りどおりに炊き、そのご飯を基準に2回目から調整するやり方をおすすめしています。いきなり減らして固く炊けてしまうと、原因が水なのか浸水なのか分からなくなるからです。
1回目は目盛りどおり|炊飯器での新米の炊き方

ここからは炊飯器で炊く手順です。JA全農あきた・JA全農いばらきが公開している炊き方をもとに、新米で気をつけたい点を加えています。
手順
- すりきりで量る/付属の計量カップ(1合=180ml)にお米を入れ、すりきりで量ります。山盛りのまま入れると、目盛りどおりに水を入れても固めに炊けます。
- 最初の水はすぐ捨てる/たっぷりの水を注いで手早く混ぜ、すぐに捨てます。お米が、ぬかの混じった最初の水を吸いこまないようにするためです。
- やさしく研いで2〜3回すすぐ/力を入れすぎず、手のひらのつけ根で押すように研ぎ、水を替えてすすぎます。
- 目盛りどおりに水を入れる/平らな場所に内釜を置き、真横から見て線に合わせます。
- 浸水させる/夏は30分以上、冬は1〜2時間が目安です(JA全農いばらき)。
- 炊いたらすぐほぐす/しゃもじを内釜のふちに沿って入れ、底から返すように手早く混ぜて、余分な水分を飛ばします。
蒸らしの工程がない炊飯器や鍋の場合は、火が止まったあと10〜15分ふたを開けずにおきます(JA全農あきた)。余熱で米粒の外と中の水分がならされ、ふっくら仕上がります。
山形の新米がいつ、どの品種から出てくるかは、関連記事>山形の新米2026はいつから?はえぬき9月中旬・つや姫10月上旬にまとめています。
\今年の山形の新米がそろい始めています/
2回目からの水加減|仕上がり別の直し方早見表
1回目のご飯を食べてみて、気になったところから直します。変えるのは一度に1つだけにすると、何が効いたのかが分かりやすくなります。
| 1回目の仕上がり | 2回目に変えること |
|---|---|
| やわらかい・べちゃっとする | 水を目盛りから1〜2mm下げる |
| ちょうどいい | そのまま。袋が終わるまで同じ水加減で |
| 芯が残る・固い | 浸水を長めにとる。それでも固ければ水を1〜2mm上げる |
| 表面はやわらかく中が固い | 水より先に浸水時間を見直す |
2mmは見た目にはわずかですが、炊き上がりの食感ははっきり変わります。内釜の目盛り線を真横から見て、線の下のふちに合わせるなど、毎回同じ見方で合わせるのがコツです。
さおり水を減らすときは、ほんの少しずつが正解です。新米は香りと甘みが強いので、少し固めに炊けても十分おいしく感じますよ。
鍋・土鍋で炊くなら|水の量と火加減の目安

新米の香りをいちばん楽しめるのは、鍋や土鍋で炊いたご飯かもしれません。キッコーマンの「ホームクッキング」が紹介している鍋炊きの目安は、次のとおりです。
| 工程 | 目安 |
|---|---|
| 水の量 | お米の重さ(1合=150g)の1.1〜1.2倍 |
| 吸水 | 研いだお米と水を鍋に入れ、ふたをして20分以上 |
| 加熱 | ふたをしたまま、中火で13分(鍋底に炎が当たるくらい) |
| 蒸らし | 火を止め、ふたを開けずに13分 |
2合なら、お米300gに対して水330〜360gです。計量カップより、キッチンスケールで量ったほうが毎回そろいます。鍋や土鍋の厚みでも火の通り方が変わるので、1回目の仕上がりを見て、炊飯器と同じように水と時間を少しずつ直してください。
土鍋の扱い方や加熱時間は製品によって違います。お手持ちの土鍋に説明書がある場合は、そちらを優先してください。
古米との違い|炊き方で変えるのは浸水時間

前の年のお米が残っているうちに新米が届くのも、この季節あるあるです。2つの違いを炊き方の目線で並べると、こうなります。
| 新米 | 古米 | |
|---|---|---|
| 水加減 | まずは目盛りどおり | まずは目盛りどおり |
| 浸水 | 夏30分以上・冬1〜2時間の基本どおり | 1〜2時間しっかりとる |
| 研ぎ方 | やさしく手早く | 表面のにおいが気になれば、ていねいに研ぐ |
キッコーマンの「ホームクッキング」では、古米は炊飯器で炊く前に1〜2時間浸水させることをすすめています。時間がたったお米は吸水しにくくなっているので、水を足すより先に、しっかり水を吸わせる時間をとるほうが効果的です。
「新米」と袋に表示できるのは、原料玄米が生産された年の12月31日までに精米・袋詰めされたお米です(食品表示基準)。11月に袋詰めされたお米も、正真正銘の新米です。
山形の3品種、つや姫・雪若丸・はえぬきの味や食感の違いは、関連記事>新米予約はもう始まってる|つや姫・雪若丸・はえぬき比較で比べています。
新米をおいしいまま保つ保存のしかた

炊き方をそろえても、お米そのものの状態が落ちてしまっては元も子もありません。新米のおいしさを長持ちさせる保存のポイントは、次の2つです。
精米したお米/低温で湿気が少なく、直射日光の当たらない場所へ。冷蔵庫は乾燥しやすいので、ペットボトルなどに入れるか野菜室で。精米から1か月くらいを目安に食べきります(農林水産省)。
炊いたご飯/食べきれない分は、温かいうちに1食分ずつ包んで冷凍へ。冷凍ご飯は2週間以内に食べきるのが目安です(キッコーマン)。
10kgの袋で届いた場合、1か月で食べきれないこともありますよね。そんなときは、1か月分ずつ密閉容器に移して野菜室に入れ、残りも涼しい場所に置いておくと安心です。
\冷蔵庫に入る米びつなら野菜室にすっきり収まります/
炊きたての新米に合わせたい山形の郷土料理は、関連記事>山形の郷土料理「だし」の作り方|残暑に効く地元の配合で紹介しています。
よくある質問
まとめ|新米は目盛りどおりで炊いてから、少しずつ自分の味に
新米の水加減は、最初から減らさなくて大丈夫です。今のお米は水分がほぼそろっているので、1回目は目盛りどおりに炊き、やわらかければ1〜2mm下げる、固ければ浸水を長めにする。この順番で直していけば、袋が終わるころには自分の家の一番おいしい炊き方が決まっています。
①すりきりで量り、最初の水はすぐ捨てる
②浸水は夏30分以上・冬1〜2時間
③1回目は目盛りどおり、2回目から1つずつ直す
④精米は野菜室で1か月、ご飯は冷凍で2週間を目安に
山形では10月に入るとつや姫の新米も届き始め、はえぬき・雪若丸と3品種を食べ比べられる季節になります。炊き方の基準ができたら、品種ごとの違いもぜひ楽しんでみてください。
\はえぬき・雪若丸・つや姫を食べ比べるなら/

