【野菜たっぷり鶏つみれ汁】スプーンで落とすだけ!20分で完成する体温まる一椀

東北めし_野菜たっぷり鶏つみれ汁

寒い朝、起き上がる前から「今日の夜は何を作ろう」と考えてしまう日があります。仕事から帰って体が冷えているとき、風邪気味でもしっかり食べなきゃと思うとき。そんな夜に、ふと頭に浮かぶのが熱々の汁物の存在です。

でも、「汁物って手間がかかるんじゃないか」「つみれなんて丸めるのが面倒そう」と、ためらってしまう方も多いのではないでしょうか。実は私もそう思っていた一人でした。

そんな先入観を変えてくれたのが、この「野菜たっぷりの鶏つみれ汁」です。鶏ひき肉をボウルで混ぜてスプーンで落とすだけ。成形いらずで、鍋ひとつで20分あれば完成します。

にんじん・キャベツ・しめじなど冷蔵庫の野菜を何でも入れられるので、食材の使い切りにも大活躍。山形の冬の食卓にずっと根づいてきた「汁物で体を温める」という知恵が、毎日の夕ごはんに生きています。

ブログ執筆者
あらお さおり

荒生沙緒利
SAORI ARAO

  • 山形県アンバサダー@東北観光推進機構 東北PR局
  • フリーアナウンサー
  • 山形県酒田市在住

野菜たっぷり鶏つみれ汁の完成写真
目次

野菜たっぷりの鶏つみれ汁とは|東北の汁物文化から生まれた体を温める一椀

私が暮らす山形・庄内地方では、汁物は「副菜」ではなく「食事の主役のひとつ」という感覚が今も根強く残っています。冬になれば気温は氷点下を下回る日も珍しくなく、外から帰ってきてまず飲みたくなるのは、出汁のきいた熱い汁物です。

東北を代表する汁物といえば、山形の「いも煮」や、宮城の「はっと汁」などが有名ですが、それよりもっと日常的に、毎日の食卓に欠かさず登場するのが、具だくさんの汁物です。根菜、きのこ、豆腐、そしてたんぱく質。一椀の中にバランスよく収まった汁物は、東北の寒さと向き合ってきた先人の知恵そのものだと感じます。

その中でも「つみれ汁」は、昔から家庭の汁物として親しまれてきました。魚のつみれが一般的ですが、鶏ひき肉を使った鶏つみれは、魚独特の臭みがなく、子どもから高齢の方まで食べやすい優しい味わいが特徴。しょうがをきかせたつみれと、野菜の旨みが溶け込んだ出汁が合わさると、体の芯からほぐれていくような温かさになります。

つみれは「成形いらず」で作れる

つみれと肉団子(ミートボール)の違いをご存じですか。肉団子は手で丸めてから加熱しますが、つみれはスプーンや箸でそのまま鍋に「摘み入れる(つみいれる)」のが由来で、形を整えず、そのまま落とせばOK。だから、意外なほど手間がかかりません。

むしろ不揃いの形が自然な「やっぱり手作りだな」という温かみになりますし、出汁への旨みの染み出し方も、きれいに整えたものより豊かな気がします。東北の家庭料理らしい、飾らない一椀です。

材料(2人分)|調理時間20分

材料分量
鶏ひき肉150g
少々
こしょう少々
しょうが(すりおろし)小さじ1
片栗粉大さじ1
にんじん1/2本
キャベツ2枚(約100g)
しめじ1/2パック
600ml
和風だし(顆粒)小さじ2
みそ大さじ1〜1.5
薄口しょうゆ小さじ1
小ねぎ適量(仕上げ用)

にんじん・キャベツ・しめじは家に常備しやすい野菜で揃えました。冷蔵庫に大根、ごぼう、白菜、えのきなどがあれば、積極的に加えてください。野菜が増えるほど出汁が豊かになり、汁の旨みも増します。

みそ汁に仕立てると東北らしい素朴な味わいに。すまし汁(しょうゆベース)にする場合は、みそをなくし、しょうゆを大さじ1に増やしてください。

作り方|スプーンで落とすだけ、鍋ひとつで20分

STEP1|つみれのタネを作る

鶏ひき肉150gをボウルに入れ、塩・こしょう各少々、すりおろしたしょうが小さじ1、片栗粉大さじ1を加えてよく混ぜます。片栗粉を入れることで、つみれがふんわりとした弾力のある食感に仕上がり、煮崩れしにくくなります。

しょうがは生のすりおろしが一番香りが立ちますが、チューブのしょうがでも問題ありません。タネは少しべたつく感じが正解です。まとめすぎず、ざっくり混ざればOKです。

STEP2|野菜を切る

にんじんは皮をむいて薄い半月切りにします。ピーラーで薄くそぐように切ると、火の通りが早くなって時短になります。キャベツはひと口大にちぎり(包丁で切ってもOK)、しめじは石づきを取ってほぐします。

野菜を揃える大きさの目安は、スプーンひと口で食べやすいサイズ感。大きすぎると火が通るまでに時間がかかり、小さすぎると食感がなくなります。にんじんだけ少し薄めに切ると、全体の火の通りが揃います。

STEP3|鍋に水と野菜を入れて火にかける

鍋に水600mlと和風だし小さじ2を入れ、にんじん・キャベツ・しめじを加えて中火にかけます。にんじんは火が通りにくいので、最初から入れて先に煮始めるのがポイントです。

この段階では、まだ調味料(みそ・しょうゆ)は入れません。野菜がある程度やわらかくなるまで、出汁のシンプルな状態で煮ることで、野菜から旨みが出汁に溶け出しやすくなります

STEP4|つみれを鍋に落とし入れる

野菜たっぷり鶏つみれ汁の工程:つみれを鍋に落とし入れる

野菜に8割方火が通ったら(にんじんに竹串がすっと刺さるくらい)、スプーン2本を使ってつみれのタネをひと口大ずつ、鍋の中に落とし入れます。スプーン1本でタネをすくい、もう1本でなでるように押し出すと、きれいに落とせます。

鍋に落としたつみれは、最初は底に沈んでいますが、火が通るにつれてふっくらと浮き上がってきます。この浮いてくるタイミングが、つみれに火が通ったサインです。

STEP5|みそで味を整えて完成

つみれが浮き上がったら弱火にし、みそ大さじ1〜1.5を溶き入れます。最後に薄口しょうゆ小さじ1を加えると、みその風味が引き立ちます。味見をして塩気が足りない場合は、みそか塩を少し足してください。

器に盛り、小口切りにした小ねぎをたっぷりのせれば完成。湯気の向こうに見えるつみれと野菜の彩りが、なんとも食欲をそそります。

美味しく作るコツ|ふっくらつみれと深みある出汁のための4つのポイント

  • 片栗粉は必ず入れる
    片栗粉がつみれをまとめる役割を果たし、煮崩れを防ぎます。ふんわりとした弾力のある食感をつくる大事な材料なので、省略しないでください。
  • しょうがは多めに入れる
    鶏ひき肉の臭みを消し、汁全体を引き締めてくれるのがしょうがです。小さじ1を目安にしていますが、お好みで増やすと体が温まる一椀に仕上がります。
  • みそは火を止めてから溶く
    みそは煮立てると香りが飛びます。つみれに火が通ったら弱火にしてから溶き入れ、その後は沸騰させないように注意しましょう。
  • 野菜は先に入れ、つみれは後から
    火の通りに差がある野菜とつみれは入れるタイミングが肝心。にんじんなど固い野菜を先に煮て、つみれは最後に加えることで全体が丁度よく仕上がります。

鶏つみれが体にうれしい理由|たんぱく質・野菜・出汁の黄金バランス

鶏ひき肉は高たんぱく・低脂質のヘルシー食材

鶏ひき肉(むね肉由来)は、高たんぱく・低脂質の代表的な食材です。同じひき肉でも豚や牛に比べて脂質が少なく、胃への負担が軽め。夜ごはんのメインたんぱく源として取り入れやすい素材です。

  • たんぱく質で体を修復
    筋肉・肌・髪の材料となる良質なたんぱく質が豊富。疲れた体のリカバリーに欠かせない栄養素です。
  • 脂質が少なく消化しやすい
    脂身の少ない鶏ひき肉を汁物に仕立てることで、油を足さずに食べられます。夜遅い食事でも胃に重くなりにくいのがうれしいポイントです。
  • しょうがで代謝アップ
    つみれに練り込んだしょうがには、体を内側から温める成分(ジンゲロール・ショウガオール)が含まれています。冷え性の方や、寒い季節に特におすすめです。

野菜の食物繊維と出汁のミネラルも同時に摂れる

にんじんにはβカロテン、キャベツにはビタミンC、しめじには食物繊維とビタミンDと、汁に入れる野菜それぞれに異なる栄養素が含まれています。汁物は野菜に含まれる水溶性の栄養素も汁ごと摂れるのが大きなメリット。一椀の中に、たんぱく質・食物繊維・ビタミン・ミネラルが揃うのが、この汁物のすごいところです。

さらに和風だしに使われる昆布やかつおには、グルタミン酸やイノシン酸などの旨み成分が豊富。単なる「水分補給」ではなく、栄養価の高い液体として汁を丸ごといただけるのが、和食の汁物文化の本質だと私は思っています。

\お湯に入れるだけで無添加の本格だし/

アレンジ|季節や気分で楽しむ3パターン

  • すまし汁仕立てでさっぱりと
    みそを使わず、薄口しょうゆ大さじ1と塩少々で味を整えると、上品なすまし汁風に。つみれのしょうが香る透き通ったスープは、胃腸の疲れた日にも優しく寄り添います。仕上げにみつばをのせると料亭のような見た目になります。
  • 大根・ごぼうで根菜たっぷりの東北風に
    にんじんに加えて、大根の薄切りとごぼうのささがきを入れると、より東北の「けんちん汁」に近い風格が出ます。根菜の甘みと土の香りがつみれの旨みとよく合い、ボリュームも増して一椀でしっかり満腹感が得られます。
  • 豆腐を加えてかさ増し&ヘルシーに
    絹ごし豆腐をひと口大に切って加えると、とろんとした食感が加わってさらに体に優しい仕上がりに。豆腐はつみれを落とすタイミングで一緒に入れるだけでOKです。たんぱく質もさらにアップして、ダイエット中の夕ごはんにもぴったりです。

冬は白菜、春はたけのこ、夏はなす、秋はきのこをたっぷり入れて、一年を通じて季節の野菜で楽しんでください。「今日の野菜はこれしかない」という日こそ、この汁物の出番です。

鶏つみれの汁物に合わせるなら、野菜をたっぷり使ったもう一皿や、同じく体が温まる蒸し料理もおすすめです。
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まとめ|スプーンで落とすだけ、20分で完成する体を温める一椀

鶏ひき肉をスプーンで落とし入れるだけの鶏つみれと、にんじん・キャベツ・しめじたっぷりのみそ仕立て汁物「野菜たっぷりの鶏つみれ汁」をご紹介しました。

  • 材料を揃えたら、鍋ひとつで20分以内に完成
  • つみれは手で丸めず、スプーンで落とすだけ——成形いらずで手軽
  • 鶏ひき肉の高たんぱく×しょうがの温め効果×野菜の栄養素が一椀に凝縮
  • みそ汁・すまし汁・根菜たっぷりなど、アレンジ自在で飽きない
  • 冬はもちろん、冷え込む季節はいつでも出番がある万能汁物

山形の冬の食卓では、汁物は「体を温めるための手段」として毎日欠かさず登場します。その知恵は、難しい料理技術より、シンプルな食材の組み合わせと出汁の力に宿っています。

今夜の夕ごはん、一椀の鶏つみれ汁から始めてみませんか。冷えた体がじんわりとほぐれる感覚は、東北の汁物文化が何百年もかけて磨いてきた、いちばん正直な温かさだと思います。

東北めし_野菜たっぷり鶏つみれ汁

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