お盆が明けても、庄内の暑さはまだ続きます。台所にコンロの火を入れるのがためらわれる日が、9月に入ってからもしばらく残る。それでも、夏バテ気味の体にたんぱく質だけは入れておきたい。そんな時期にちょうどいいのが、鶏むね肉と枝豆を電子レンジだけで仕上げる丼です。
山形県酒田市に住みながら、東北観光推進機構 東北PR局 山形県アンバサダーとして地元の食材を追いかけています。庄内は今、だだちゃ豆が「白山」から晩生の品種へ移っていく、枝豆のいちばんおいしい終盤にさしかかったところ。この記事では、その枝豆と鶏むね肉を組み合わせた丼の作り方を、レンジの加熱時間とコツまで具体的にまとめました。
やま君暑くて火を使いたくないけど、そうめんばかりで力が出ない…。
宮さん鶏むね肉って安いのはうれしいけど、家で作るとかたくなっちゃうのよね。

荒生沙緒利
SAORI ARAO
- 山形県アンバサダー@東北観光推進機構 東北PR局
- フリーアナウンサー
- 山形県酒田市在住
残暑の台所に「レンジだけの丼」が効く理由

夏の終わりに体がだるくなるとき、まず足りなくなりやすいのがたんぱく質です。そうめんや冷やし中華が続くと、どうしても主食に寄ってしまう。そこで頼りになるのが、鶏むね肉と枝豆という組み合わせでした。
文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、可食部100gあたりの数値はこうなっています。
| 食材(可食部100g) | たんぱく質 | エネルギー | 備考 |
|---|---|---|---|
| 鶏むね肉(若どり・皮なし・生) | 23.3g | 105kcal | 脂質1.9g |
| えだまめ(生) | 11.7g | 125kcal | 食物繊維5.0g/葉酸320µg |
鶏むね肉は皮を外すと脂質が2g前後に収まり、それでいてたんぱく質は20gを超えます。枝豆も野菜としては珍しくたんぱく質が二桁で、食物繊維と葉酸まで一緒に摂れる。この2つをごはんにのせれば、丼ひとつで献立が完結します。
材料(2人分)

| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 鶏むね肉(皮を取ったもの) | 1枚(約250g) |
| 枝豆(さやつき) | 200g ※さやから出して約80g |
| 温かいごはん | 茶碗2杯分(約300g) |
| 大葉 | 4枚 |
| 白いりごま | 小さじ2 |
下味とたれは、はかりやすい分量にそろえました。
| 下味(鶏むね肉にもみ込む) | たれ(加熱前に回しかける) |
|---|---|
| 酒 大さじ1 | しょうゆ 大さじ1 |
| 砂糖 小さじ1 | みりん 大さじ1 |
| 塩 小さじ1/4 | おろししょうが 小さじ1 |
| 片栗粉 小さじ1 | ごま油 小さじ1 |
枝豆は冷凍のむき枝豆80gでも同じように作れます。凍ったまま最後にのせると、丼全体がほどよく冷めて食べやすくなります。生のさやつきを使うときは、塩ゆでしてさやから出しておいてください。
作り方|レンジの加熱と余熱で10分
- 鶏むね肉を切る/皮を取り、繊維を断つ向きに1cmほどの厚さでそぎ切りにします。厚みをそろえるほど、火の通りが均一になります。
- 下味をもみ込む/ポリ袋に鶏むね肉と酒・砂糖・塩を入れて軽くもみ、最後に片栗粉をまぶします。10分おける日はおいてください。
- 耐熱皿に並べる/重ならないよう平らに広げ、たれの材料を回しかけます。ふんわりとラップをかけます。
- 1回目の加熱/600Wで3分。いったん取り出し、菜箸で上下を返して肉の位置を入れ替えます。
- 2回目の加熱/再びラップをして600Wで1分30秒〜2分。厚めに切れた部分があるときは、ここで少し長めに。
- 余熱で仕上げる/ラップをしたまま3分おきます。この時間で中心まで火が入り、しっとりします。切り目を入れて中心が白くなっていれば完成です。
- 盛りつける/ごはんに鶏むね肉を皿の煮汁ごとのせ、枝豆を散らします。せん切りにした大葉と白いりごまをのせてできあがり。
電子レンジはマイクロ波の当たり方に偏りが出るため、農林水産省も途中でかき混ぜたり裏返したりすることをすすめています。手順4で必ず一度取り出してください。切ってみて中心に赤みが残っていたら、30秒ずつ追加して火を通します。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、加熱の目安を中心部75℃で1分間以上としています。
鶏むね肉をしっとり仕上げる3つのコツ
同じ材料でも、切り方と下味の入れ方で仕上がりがはっきり変わります。私が何度か作って落ち着いたのが、次の3つでした。
- 繊維を断ってそぎ切りにする/繊維に沿って切ると噛み切りにくくなります。包丁を寝かせて、繊維を横切る向きに薄く切ります。
- 砂糖と酒を先に入れる/片栗粉より先に、砂糖と酒を肉になじませます。水分を抱えた状態で加熱に入るのがねらいです。
- 最後の3分は加熱しない/レンジを止めたあとの余熱でゆっくり火を入れます。加熱時間を延ばして仕上げるより、やわらかく落ち着きます。
鶏むね肉を蒸してやわらかく食べる作り方は、冬の白菜と合わせたものも紹介しています。
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枝豆は「だだちゃ豆」なら、いまが白山から晩生へ

庄内で枝豆といえば、鶴岡のだだちゃ豆です。ひとつの品種ではなく、早生から晩生まで少しずつ収穫期の違う品種が並んでいて、夏のあいだリレーのようにつながっていきます。鶴岡の生産者が公開している収穫時期の目安は、次のとおりです。
| 品種 | 収穫時期の目安 |
|---|---|
| 早生甘露 | 7月下旬〜8月初旬 |
| 甘露 | 8月上旬 |
| 早生白山 | 8月上旬〜8月中旬 |
| 白山 | お盆過ぎ〜8月下旬 |
| 晩生甘露 | 8月末〜9月上旬 |
| おうら | 9月上旬〜9月中旬 |
8月半ばの今は「白山」が出ているところ。8月の終わりからは晩生甘露に、9月に入ると「おうら」に変わります。時期は作り手や畑によって前後しますが、9月半ばまで枝豆の季節が続くのが庄内の特徴です。晩生の豆は香りがしっかり出るものが多く、丼にのせても存在感が消えません。
品種ごとの違いや茹で方から知りたい方は、こちらにまとめています。
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>だだちゃ豆の食べ方|地元流アレンジ5選と冷凍保存のコツ
\晩生の豆が出そろう時期です/
作り置きとアレンジ

鶏むね肉だけを先に作っておくと、翌日がぐっと楽になります。粗熱をとってから清潔な保存容器に煮汁ごと入れ、冷蔵で2日を目安に食べきってください。煮汁につかった状態で保存すると、乾かずにしっとりしたまま保てます。
さおり翌日は冷たいままサラダにのせたり、そうめんの具にしたりしています。しょうがが効いているので、冷やしても味がぼやけません。
枝豆が手元にない日は、冷凍のむき枝豆を常備しておくと丼がすぐ完成します。凍ったまま最後にのせるだけで、彩りとたんぱく質を足せます。夏に茹でただだちゃ豆をさやのまま冷凍しておけば、秋になっても同じ丼が作れます。
\買いおきしておくと平日が助かります/
お盆の残り野菜が冷蔵庫にあるなら、副菜もレンジで片づけられます。
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>お盆の残り野菜で作り置き|だだちゃ豆となすの簡単副菜
よくある質問
まとめ

枝豆と鶏むね肉の丼は、耐熱皿ひとつとラップだけで作れる残暑向きの一杯です。鶏むね肉は繊維を断ってそぎ切りにし、砂糖と酒を先になじませ、最後の3分は余熱にまかせる。この3つを守るだけで、しっとりした仕上がりになります。
庄内の枝豆は、8月下旬の白山から晩生甘露、おうらへと9月半ばまで続きます。夏の名残の豆がいちばんおいしくなるこの時期に、ぜひ一度作ってみてください。ごはんは、秋になれば山形の新米に変わります。
秋にかけて庄内で何が旬を迎えるかは、こちらにまとめました。
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\丼のごはんもおいしくしたい方へ/

