お盆が終わった冷蔵庫を開けると、茹でたまま残っただだちゃ豆と、袋の底でしなびかけたなす。毎年これを見て、少しだけ気が重くなります。
やま君お盆で買いすぎた野菜、そのまま傷ませてしまいそう…。
宮さん茹でた枝豆って、そのままだと飽きるよね。作り置きにできないのかな。
結論から言うと、残りものはその日のうちに味をつけて別の一品に変えるのがいちばん確実です。だだちゃ豆は漬けるだけ、なすはレンジだけ。どちらも火の前に立たずに作れます。
山形県アンバサダーとして庄内の食材を追いかけている私が、毎年この時期に実際に作っている副菜2品を、分量と日持ちの目安つきでお伝えします。

荒生沙緒利
SAORI ARAO
- 山形県アンバサダー@東北観光推進機構 東北PR局
- フリーアナウンサー
- 山形県酒田市在住
お盆明けの冷蔵庫に残るのは、だいたいこの3つ

2026年のお盆は8月13日(木)から16日(日)。山形では農作業の繁忙期を避ける習わしから、月遅れ盆が今も広く行われています。人が集まる4日間が終わったあと、庄内の台所に残りやすいのは次の3つです。
- 茹でただだちゃ豆/来客用に多めに茹でて、さやのまま余る
- なす/漬物や煮物用に箱で買い、使いきれずに残る
- めんつゆと薬味/そうめん用に開けたつゆ、刻んだみょうがや青じそ
厄介なのは、どれも「あと1日くらい大丈夫」と思わせる見た目のまま傷むことです。特に茹でた枝豆は冷蔵で2日ほどが目安とされていて、想像よりずっと短い。だからこそ、翌日ではなく残ったその日に手を動かします。
さおり片づけと一緒に副菜を仕込んでしまうと、翌日からの食卓がまるごとラクになります。疲れていても、ここだけは先にやる価値があります。
だだちゃ豆は「本豆」のうちに1品にしておく

だだちゃ豆は7月中旬ごろから早生品種が出回り、旧盆を過ぎたころから一番の旬を迎えて9月中旬まで続きます。この最盛期のものは地元で「本豆」と呼ばれ、甘みと香りがもっとも濃くなる時期。つまりお盆に残った豆は、これから味が乗る豆でもあるわけです。
鶴岡市白山地区に伝わる「白山だだちゃ豆」の原型は、籐十郎だだちゃという品種。白山公民館には、その功績をたたえる記念碑が建てられています。同じ種を他の地域でまいても持ち味が消えてしまうといわれ、土地と結びついた在来作物です。
だだちゃ豆のだし醤油漬け
| 材料(作りやすい分量) | 分量 |
|---|---|
| 茹でただだちゃ豆(さやから出して) | 150g |
| みょうが | 1本 |
| しょうが | 1かけ |
| だし醤油 | 大さじ1と1/2 |
| ごま油 | 小さじ1 |
| 白いりごま | 適量 |
- 豆を出す/さやから豆を取り出します。さや付きで350g前後あれば150gほどになります。
- 薬味を切る/みょうがは薄い小口切り、しょうがは細めの千切りに。そうめんの薬味で余ったものがあれば、そのまま使えます。
- 和える/保存容器かポリ袋に豆と薬味を入れ、だし醤油とごま油を回しかけて軽く混ぜます。
- 冷やす/冷蔵庫で30分以上おき、食べる直前に白いりごまをふります。
豆そのものに甘みがあるので、味つけは薄いと感じるくらいで十分です。だし醤油が濃いタイプなら大さじ1から始めてください。日持ちは冷蔵2日が目安。茹でた豆がもとになっている以上、ここは長く見積もらないほうが安心です。
2日で食べきれない量が残ったときは、漬けずにさやのまま冷凍してください。漬けたものを冷凍すると、解凍後に水が出て豆がしぼみます。
鶴岡の大泉だだちゃ豆直売所は、2026年は7月21日から8月下旬までの開設予定。朝8時から整理券が配られ、8時15分ごろから正午まで、売り切れ次第終了です。本場の豆を買って帰るなら、この時間帯を狙ってください。
\旬のうちに本場の味を/
品種の見分け方や茹で方から知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。
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なすはレンジで蒸して、ごま酢だれで和える

残暑の台所で、なすを揚げたり炒めたりする気力はなかなか湧きません。レンジで蒸せば火を使わずに済み、油を吸わないぶん翌日も重くなりません。酢を効かせたたれなので、冷やすほど味がなじみます。
レンジ蒸しなすのごま酢だれ
| 材料(2〜3人分) | 分量 |
|---|---|
| なす | 2本 |
| すりごま | 大さじ1 |
| 酢 | 大さじ1 |
| 醤油 | 大さじ1 |
| 砂糖 | 小さじ1 |
| ごま油 | 小さじ1 |
| みょうが・青じそ(お好みで) | 適量 |
- 包む/なすはヘタを落とし、水にさっとくぐらせてから1本ずつラップで包みます。きっちり包む必要はありません。
- 加熱する/600Wで1本なら2分〜2分30秒、2本まとめてなら4分ほど。2本のときは途中で上下を返します。菜箸ではさんで柔らかければ完了、硬ければ1分ずつ足してください。
- 冷ます/ラップのまま粗熱を取ります。ここで急がずに冷ますと、身が締まって裂きやすくなります。
- 裂く/縦4〜6等分に手で裂き、食べやすい長さに切ります。
- 和える/たれの材料を混ぜ、なすを加えて全体にからめます。薬味は食べる直前にのせます。
包丁で切るより手で裂いたほうが断面がざらつき、たれのからみが目に見えて変わります。日持ちは冷蔵3日が目安。汁ごと保存して、食べる分だけ取り分けてください。
大きめのなすはレンジ蒸しへ、小ぶりのものは炒め煮へと分けています。庄内小茄子のような小さいなすは皮が締まっていて、レンジだと火の通りが読みにくいからです。同じ「なすの作り置き」でも、大きさで向き不向きがはっきり分かれます。
小ぶりのなすが大量に手に入ったときは、庄内の郷土料理が頼りになります。
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残っためんつゆと薬味も、その日に使いきる
そうめん用に開けためんつゆと、刻んだまま残った薬味。この2つは上の2品にそのまま流用できます。だし醤油の代わりにめんつゆ(ストレートなら同量、濃縮タイプなら表示の希釈率を目安に薄めて)を使えば、だだちゃ豆の漬けだれになります。
みょうが・青じそ・しょうが・ねぎがまとめて残っているなら、刻んで和えるだけの山形の郷土料理「だし」にしてしまうのがいちばん早い。冷奴にもそうめんにも使えて、残りものが一気に片づきます。
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>山形の郷土料理「だし」の作り方|残暑に効く地元の配合
なお、だし醤油やめんつゆは開封後に風味が落ちます。使いきれる容量を選ぶのが、結局いちばん経済的です。
\味が決まる調味料を1本/
作り置きを傷ませない3つのルール
お盆の残りものは、一度食卓に出たあとの食材であることが多いのが難しいところ。農林水産省が示す家庭での食中毒予防の考え方をもとに、私が必ず守っている3点です。
①箸をつける前に取り分ける/大皿から食べ残したものではなく、手をつける前の状態を保存容器へ。清潔な手・清潔な器具・清潔な容器がすべての前提です。
②十分に冷ましてから容器へ/温かいまま蓋をすると庫内で水滴になり、傷みを早めます。浅い容器に小分けにすると早く冷めます。
③食べる前に加熱するものは、しっかり加熱する/今回の2品は冷たいまま食べる副菜なので、そのぶん日持ちの目安を守ることが安全につながります。
地味ですが効くのが「作った日を書いたテープを容器に貼る」こと。何日目かが一目でわかるだけで、迷って捨てる回数が減りました。
よくある質問(FAQ)
まとめ
お盆の残りものは、傷んでから悩むのではなく、残ったその日に味をつけてしまうこと。だだちゃ豆はだし醤油で漬けて冷蔵2日、なすはレンジで蒸してごま酢だれで冷蔵3日。どちらも火を使わず、10分あれば仕込めます。
そして、だだちゃ豆にとってお盆過ぎは終わりではなく、いちばん味が乗る「本豆」の始まりです。残りものを片づけながら、これからの一番おいしい時期を思い出してもらえたら嬉しいです。
秋にかけて庄内で何が旬を迎えるかは、こちらにまとめています。
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\旬を過ぎても味わえる/

